漆器商 | しっき しょう | |
芝山象嵌 | しばやま ぞうがん |
下総国芝山村出身の小野木専蔵(1775−1836)が発明した加飾技法。
象牙・鼈甲・染角・螺鈿などの容彫を象嵌する技法。芝山細工とも言う。 |
四分一 | しぶいち |
朧銀とも。日本古来の合金の種類の一つ。銅3に対し銀1程度の割合で作られる。
色上げすると、含有率によって、暗灰色から明灰色を呈する。 |
四分一塗 | しぶいちぬり |
変塗の種類の一つ。金工の四分一に見えるような地塗。炭粉と錫粉の混合粉を蒔くことによって作られる。 |
四分一粉 | しぶいちふん |
1:四分一塗に使う炭粉と錫粉の混合粉。
2:蒔絵に使う四分一でできた金属粉。
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仕覆 | しふく | 茶道具などを収納する裂の袋。金襴・緞子・更紗・縮緬などを使う。 |
絞漆 | しぼ うるし | 皺漆とも書く。
鉛白や豆腐・卵白を混ぜて乾きを早くして流動性を失わせた漆。変塗りに使う。 |
杓子 | しゃくし | 杓文字(しゃもじ)のこと。飯を盛る道具。飯櫃に添える。飯櫃と同じ意匠とする。単品で作品としたものもある。 |
赤銅 | しゃくどう | 日本古来の合金の種類の一つ。銅を主成分に数%の金や銀を含んだ合金。色上げにより紫黒色を呈する。烏金ともいう。 |
赤銅粉 | しゃくどうふん | 蒔絵に使う赤銅からできた金属粉。黒蒔絵に使用する。 |
朱 | しゅ | 朱漆に使う朱色の顔料で、硫化水銀を原料とする。 |
朱漆塗 | しゅ うるし ぬり |
朱を混ぜた漆で塗る地塗り技法。朱塗りともいう。一般に塗りたてのものをさす。 |
朱蝋色塗 | しゅ ろいろ ぬり |
朱を混ぜた漆で塗り蝋色磨きとする地塗り技法。 |
重硯箱 | じゅう すずり ばこ・ かさね すずり ばこ | 略して重硯ともいう。香席・歌会などで使うもので、同形の硯箱を重ねて、一まとめにできる構造のもの。 |
重台 | じゅう だい | 重箱台の略。重箱を載せる台。明治以降の重箱に付属することが多い。 |
重箱 | じゅう ばこ | 食物を入れる方形の箱で、蓋が付く。 |
朱溜 | しゅだめ | 朱塗をして研いだ後、透き漆・梨子地漆を塗りたてにする塗技法。 |
朱塗 | しゅぬり | 朱漆塗のこと。 |
十炷香箱 | じっしゅ こうばこ | 十種香箱ともいう。組香に使う香道具一式を納める箱。 |
春慶塗 | しゅんけいぬり | 木地を黄色や赤色に着色し、
透漆を上塗した、木目を透かした塗技法・塗物。 |
春正蒔絵 | しゅんしょうまきえ | 江戸初期〜中期の京都の名工山本春正
の蒔絵。主に江戸中期以前の名古屋へ移住する以前の研出蒔絵の茶道具を指す。 |
床几 | しょうぎ | 戦場など野外で使用した折りたたみ式の腰掛け。
上等品には塗蒔絵をした。 |
将棋盤 | しょうぎ ばん | 婚礼調度の遊戯具三面の一つ。側面に蒔絵を施す。駒箱が附属する。
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書棚 | しょだな | 婚礼調度の三棚の一つ。手鑑・軸盆・色紙箱などを飾る。 |
定盤 | じょう ばん | 漆塗りの道具の一つ。漆を混ぜたり練ったりする漆塗りの板。 |
常憲院時代印籠 | じょうけんいんじだいいんろう |
常憲院=5代将軍徳川綱吉在職中の元禄期に、その絢爛たる時代性を背景として作られた蒔絵印籠。
常憲院時代蒔絵の特徴を備えた印籠。 |
常憲院時代蒔絵 | じょうけんいんじだいまきえ |
常憲院=5代将軍徳川綱吉在職中の元禄期に、その絢爛たる時代性を背景として作られた蒔絵作品。
具体的には金梨子地や高蒔絵、切金の多用、極付、極込などの金をふんだんに使った作風の作品。
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白漆 | しろ うるし |
白からベージュ色の漆。近代以前は概ね密陀絵と考えられている。
近代以降はチタニウムやレイキ顔料で作られる。 |
白密陀 | しろ しろみつだ |
密陀絵の一種。白色を呈する。 |
陣笠 | じんがさ | 1:戦陣で兵卒がかぶる山形の粗末な塗笠。
2:戦陣・旅行・火事の際に武士がかぶる笠。鉄製・革製のものも稀にあるが、
ほとんどは、和紙を張り重ねた百貫張りの張抜き、漆器製。表は黒塗りに紋や文様を蒔絵とする。
裏は朱塗りが多いが、大名は金溜、万石以下は定めがない。 |
進献 | しんけん | 朝廷に献上すること。 |
沈箱 | じんばこ |
1:沈香を入れる箱、被せ蓋造りで、掛子が付く。
2:婚礼調度で厨子棚に置く。被せ蓋造りで、掛子が付き、掛子の中に6個の香箱が納まる。 |
陣弁当 | じんべんとう | 陣中で使う携帯用弁当箱。 |
双六盤 | すごろく ばん | 婚礼調度の遊戯具三面の一つ。側面に蒔絵を施す。 |
厨子棚 | ずしだなく | 婚礼調度の三棚の一つ。文房具・香道具などを飾る |
錫金貝 | すず かながいく | 錫でできた金貝。極付けに貼り付けて使うが、腐食して残りにくい。また安価であるため、木地蒔絵や変り塗りなどで、製作工程でのコーティングにも使う。 |
錫箔 | すずはく | 錫でできた箔。文様に貼り付けて使うが、腐食して残ににくい。 |
錫溜 | すずだみ | 錫粉を使った粉溜地。 |
錫梨子地 | すず なしじ | 錫の梨子地粉を使った梨子地。できたては金梨子地と変わらないが、酸化・腐食・黒化して醜くなる。市兵衛梨子地ともいう。 |
錫縁 | すずぶち | 錫でできた覆輪のこと。 |
錫粉 | すずふん | 錫でできた粉。永田友治が多用したことから友治粉とも言われる。 |
硯 | すずり | 墨を摺るための道具。石や陶磁器・乾漆などにより作られる。 |
硯石 | すずりいし | 石でできた硯のこと。 |
硯師 | すずりし | 硯石を作る専門の職人。 |
硯箱 | すずり ばこ | 硯と水滴を収める箱。被せ蓋造りや印籠蓋造りとなってたもの。 |
硯蓋 | すずり ぶた | 1:
食膳具で、四方に低い立ち上がりが付いたもの。もともと硯箱の蓋を裏返して使っていたことに由来する。 2:
硯の墨が乾かないよう、硯に直接掛ける蓋。 |
墨形塗り | すみがた ぬり | 墨に擬した塗り方で、享保時代から流行し、印籠・根付・香箱などが作られた。小川破笠・水谷秋登甫・野村九国・野村樗平・柴田是真などが作った。 |
炭 | すみ | 木を焼いて炭化したもの。漆面を研ぐために使用する。 |
角赤 | すみあか | 角赤手箱の略。
角部に布目を故意に残し朱塗りにした手箱。化粧道具を収める。 |
炭粉 | すみこ | 木炭を砕いた粉。 |
炭粉上げ | すみこ あげ | 高上げに炭粉を使ったもの。 |
炭研ぎ | すみとぎ | 炭を使って塗り面を研ぎ整えること。 |
墨鋏 | すみ ばさみ | 硯箱に収める5点セットの一つで、揃いの塗りや蒔絵が施される場合も多い。筆2本・小刀1本・錐1本・墨挟み1本の5本で一具となる。墨を擦る際に手が汚れないための柄。墨を差し込んで使う。 |
砂子地 | すなごじ | 金属粉をまばらに蒔いた地塗り。砂子地・塵地など。 |
擦漆 | すり うるし | 木地、塗り面を漆で拭いて艶をだしたもの。 |
駿河炭 | するが ずみ | 油桐を焼いた炭。漆を研ぐのに適する。 |
青海波塗り | せいがいはぬり | 乾く速度を早く調整した絞漆を櫛目状の箆で掻き取って青海波模様とした塗り。元禄期に青海勘七が発明。幕末弘化年間に柴田是真が復興した。池田泰真や島野三秋も使用した。 |
青海盆 | せいがいぼん |
菓子盆の形状の一種。端が船のせがいの形状に似ていることに由来。砂張、漆器などがある。 |
青漆 | せいしつ | 黒漆に石黄を混ぜ、緑色を呈する漆。 |
青漆溜 | せいしつため | 青漆塗をして研いだ後、透き漆・梨子地漆を塗りたてにする塗技法。 |
青銅塗り | せいどう ぬり | 金工の青銅に擬した塗り方。 |
蒸篭塗師 | せいろ ぬし | せいろに漆塗をする職人。 |
瀬〆漆 | せしめ うるし | 木の枝から採った漆で、乾固後は硬いが、乾きが遅い。 |
膳 | ぜん | 食器で椀を載せる台。 |
象嵌 | ぞうがん | 塗り面・蒔絵面に違う陶器や容彫りした螺鈿・象牙・鼈甲・金工などを嵌め込むこと。 |
象嵌銘 | ぞうがん めい | 金工・象牙・螺鈿・鼈甲・陶板などに銘を入れ、漆器面に象嵌したもの。 |
総研出 | そう とぎだし | 総研出蒔絵の略語。すべて研出蒔絵とすること。またその作品。皆研出とも言う。 |
宗和膳 | そうわ ぜん | 膳の形。戦国時代の武将・茶人金森宗和が好んだ形状に由来する |
削ぎ継ぎ | そぎつぎ | 木工・金工などで、違う材料を斜めに切って継ぐ技法。 |
外箱 | そとばこ | 1:作品を収納するための箱。 2:二重箱の内箱・外箱の内の外箱 |
杣田細工 | そまた ざいく | 富山藩お抱えの青貝師、杣田家が始めた技法で、薄貝をモザイク状に置いた螺鈿細工。 |