• TOP
  • はじめに
  • 蒔絵概略史
  • 江戸の蒔絵師
  • 京都の蒔絵師
  • 作品展示室
  • 蒔絵用語辞典
  • 保存と修復
  • 印籠の装い
  • 発表論文
  • プロフィール
  • 研究日誌
  • リンク集
  • メール
  •  梶川 房高 (かじかわ ふさたか) 生没年未詳

    全体写真

    萩鹿蒔絵硯蓋
    (はぎにしかまきえすずりぶた)

     梶川房高作

     製作年代 :
     江戸時代中期
     安永頃(circ.1780)

    法量 :
    縦275mm×横413mm×高37mm

     鑑賞 :
    江戸中期の梶川一門、梶川房高による硯蓋です。 琳派風で、萩を踏み分ける鹿を、平蒔絵と高蒔絵、黒蒔絵で表しています。 在銘・共箱になっています。

     意匠 :
    琳派風で、萩を踏み分ける鹿を意匠としています。

     形状 :拡大写真
    長方形、丸角の硯蓋で、縁には玉縁をとっています。

     技法 :
    全体を黒蝋色塗にして 鹿を高上げ上研出蒔絵、 萩は花を金平蒔絵で、萩の茎と葉は黒蒔絵です。
     この黒蒔絵は、高上げした上に青漆をわずかに混ぜた黒漆で描いてます。 底は梨子地です。

     作銘 :
    箱書写真 作銘写真 見込左下に「梶川」と蒔絵銘があります。また朱漆の乾漆粉蒔で「房」の朱文方形印と、「高」の白文方形印があります。

     外箱 :
    桐製外箱の蓋表には「萩に鹿蒔絵付/蝋色硯蓋 一枚」の墨書があります。 見返し左下に 「東都蒔画師/梶川房高」の墨書と「房高」の黒文方形印があります。

     作者 :
    外箱写真 作者の梶川房高については、梶川一門と考えられますが、詳細に判明しません。 狩野典信下絵の梅蒔絵印籠が現存することから安永期の蒔絵師と考えられます。 また本作品と大阪市立美術館所蔵の三福神蒔絵三組盃と銘字の筆跡が共通しています。
     本作では「東都蒔画師」と 署名していることから、京都など、 江戸以外の土地からの注文品とも思われます。

     展観履歴 :
    2022 国立能楽堂資料展示室「秋の風 能楽と日本美術」
    2023 MIHO MUSEUM「蒔絵百花繚乱」展


    ↑先頭に戻る

    →梶川家について知る






    2008年 8月12日UP
    2023年7月15日更新