原 羊遊斎 (はら ようゆうさい) 1769〜1845
薮柑子若松蒔絵印籠
(やぶこうじわかまつまきえいんろう)
法量 :
縦69mm×横48mm×厚20mm
製作年代 :
江戸時代後期 文化末頃(1810頃)
鑑賞 :
酒井抱一の下絵で原羊遊斎の蒔絵による江戸琳派風印籠です。
金地高蒔絵で、薮柑子の実には珊瑚を象嵌した華やかな作品です。
緒締は珊瑚珠、根付は浜野保随作「岩に蘭図」の鏡蓋根付が取り合わせられています。
意匠 :
酒井抱一の下絵による薮柑子と若松を意匠とした作品です。
ボストン美術館所蔵の
原羊遊斎「印籠下絵集」にもよく似た下絵があります。モチーフは正月を意味するおめでたいものです。
形状 :
小判形、3段の印籠です。
技法 :
・ 金粉溜地に高蒔絵で表わしています。薮柑子の葉や、若松の先には青金
粉を蒔き暈しています。また薮柑子の実には珊瑚を象嵌しています。
・ 印籠の段の内部は、
金地としています。これは元禄期の光琳印籠を意識した仕様です。
作銘 :
底部の左下に「羊遊斎」の作銘があります。
展観履歴 :
1999 五島美術館「羊遊斎」展
2008 東京国立博物館「大琳派展」
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波蒔絵印籠(なみまきえいんろう)
原羊遊斎作
製作年代 : 江戸時代後期
天保後期頃(circ.1840)
法量 :
縦90mm×横57mm×厚22mm
鑑賞 :
原羊遊斎による印籠で、黒蒔絵で加茂川の波を表しています。
松平不昧が所持していた片輪車手箱の文様から着想した作品です。本歌の沃懸地螺鈿を
黒蒔絵と変えたことで全く違う作品に仕上がっています。
水晶の緒締と、根付には片輪車手箱にちなんで「源氏車紋」の鏡蓋根付が取り合わせられています。
意匠 :
松江藩主、松平不昧が所持していた片輪車手箱の意匠に着想したデザインで
波間の片輪車さえ意匠から取り去って、波文様だけにしたものです。渦や波頭も表現されています。
ちなみに片輪車は牛車の車輪の干割れを防ぐために加茂川に浸していた光景を表したもの、
ともいわれています。
