幕末明治の名工、柴田是真の生誕200年を記念して
展覧会を挙行します。
文化4年(1807)から200年目の今年に…
今年は、柴田是真が誕生してちょうど200年目にあたります。
是真は江戸に生まれ、11歳で古満寛哉の門に入って蒔絵を学び始め、
16歳で鈴木南嶺に入門して画も学びました。
その後、刻苦の末、江戸随一の名工としてその名を知られるようになります。
激動の幕末・維新を生き、明治24年(1891)に85歳でこの世を去るまで、
絵を描くことと、蒔絵をすることに生涯を捧げています。
是真は蒔絵師であり、画家であり、またデザイナーでもありました。
幕末・明治を通して是真の作品は、江戸・東京市民に絶大な人気を得ました。
また明治6年(1873)ウィーン万国博覧会で進歩賞牌を受賞して以来、
海外でも一躍その名を知られるようになりました。是真の名は、海外では最も有名な漆芸作家です。
近年では、イギリスでナセル・ハリリ氏の是真コレクションが展示され、
その後日本でも、三島大社宝物館・富山佐藤美術館で展示されました。
折しも今年、アメリカでは、エドソン夫妻の是真コレクションがサン・アントニオ美術館で開かれ、
秋からはミネアポリス美術館でも展観されます。
是真の本場、東京において、その偉業を顕彰する生誕二百年展を、
日本人の有志によって開催することは、大変意義深いことと思います。
今回展示する作品の8割は、戦後初公開となる作品です。
優れた作品の数々を通して、是真の鋭い天賦の才能と、
刻苦して習得した技、そして、是真の漆芸と日本画への情熱に接して頂ければ幸いです。
柴田是真生誕二百年展実行委員会 高尾 曜
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