古満 巨柳(こま こりゅう) ? 〜1796

流派: 古満派
略歴:
江戸中期の印籠蒔絵師として知られています。本名は木村七右衛門です。
古満本家の5代目、古満休伯安巨の高弟であり、義弟にもあたります。
蒔絵の名工として師家から「古満」姓を称することを許されました。
号が巨柳斎で、「古満巨柳」と銘しました。
寛政8年(1796)3月16日に没し、菩提寺である谷中三崎町の立善寺に葬られました。
子孫がなく、墓石も現存していませんが、改葬の際の墓石の写真により家紋が「丸に木瓜紋」であったことが判明しています。
作品は、「桜紅葉蒔絵印籠」(東京国立博物館蔵)
など印籠の傑作が多いものの、
福井藩主松平家伝来で狩野典信下絵「李白観瀑蒔絵箪笥」(福井市立郷土歴史博物館蔵)、
佐賀藩主鍋島家伝来
「桐鳳凰蒔絵中央卓」(鍋島報效会徴古館蔵)、
熊本藩筆頭家老松井家伝来「竹蒔絵提重」(松井文庫蔵)
など、
文房具・小箪笥・提重・煙草盆などの調度類も数多く見られます。
これらの作品群の存在から、徳川将軍家や諸大名家の御用を勤めたと推測されます。
門人
大村玉山・野村久甫・古満寛哉(初代)
住居
日本橋・住吉町に住んでいたと伝えられます。
逸話
余暇に機械人形を作っていた、という以外に逸話は全くありません。
実家の木村家の家紋は丸に木瓜紋で、縁戚も錚々たる家に連なっており、なかなかの名家の出身であったようです。ただ後に絶家してしまったため墓石も現存していません。
作品を所蔵する国内の美術館・博物館:
・東京国立博物館(桜紅葉蒔絵印籠
・群鶴蒔絵印籠
・秋草雁蒔絵水指)
・東京芸術大学大学美術館(乗合船蒔絵印籠)
・根津美術館(有明蒔絵印籠掛)
・たばこと塩の博物館(籬菊蒔絵煙草盆)
・東京富士美術館(藻金魚蒔絵印籠)
・大阪市立美術館(蘭蒔絵印籠・福寿草薮柑子蒔絵印籠)
・福井市立郷土歴史博物館(李白観瀑蒔絵箪笥)
・鍋島報效会徴古館(桐鳳凰蒔絵中央卓
)
・御花資料館(梅烏蒔絵盃)
・松井文庫(竹蒔絵提重
)
・飯田市美術博物館(雨柳牧牛蒔絵印籠箪笥)
売立目録に見る大名家伝来の作品:
二本松丹羽家伝来硯箱 岡山池田家伝来手箪笥 南部家伝来寄掛
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作品を見る⇒
2005年12月 1日UP 2006年 4月24日更新 |
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